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漂流郵便局
届け先のわからない手紙、預かります

久保田沙耶

最後に手紙を出したのはいつだろうか?

もちろん年賀状は出すが、それを除くと全く記憶にない。まして手書きの手紙となると、たぶん小学生時代まで遡(さかのぼ)るのではないだろうか?

もっとも今私から手書きの手紙を貰った人は相当に困惑するであろう事は間違いない。

そこには解読不能な文字らしきものが罫線さえも無視した状態で羅列されているのである。何しろ自分で書いた手帳の文字を解読できないことが多々あるのだ。

わはは。嫌がらせで社員にでも送ってみるか。


「漂流郵便局」それは瀬戸内海の小さな島「粟島」に実在する。

もともと瀬戸内国際芸術祭の作品として生まれた郵便局であるが、芸術祭終了後の現在も存在し続けている。

そこには届け先のわからない手紙が全国からたくさん寄せられている。すでに他界したり、連絡の取れなくなった肉親や友人(うーん切ないなあ)。

さらには宇宙船「ボイジャー1号」(確かに届け先がわからん)。しかしみんな誰かに伝えたい思いがあるのだ。そんな思いを受け止めてくれる郵便局が実在するなんて・・・なんて素敵なんだろう。

1つだけ紹介しよう。母から息子への手紙・・
「ちゃんとごはん食べよる?電話してきてよ。(中略)LINEの既読だけが生存確認の証やなんて。はぁ。育て方まちがえたんかな~」

 

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